大学生の一人暮らしにかかる費用と毎月の生活費はどれぐらい必要?
大学生になると実家を離れて一人暮らしを始めるケースも少なくありません。
おそらく人生で初めての一人暮らしですから、多くの学生は楽しみで仕方がないでしょう。
しかし、大学生の一人暮らしにはさまざまな費用が発生します。
この必要な費用を把握しておかないと満足な生活を送るのも難しくなります。
そこで今回は大学生の一人暮らしにかかる費用および毎月の生活費についてご紹介します。
大学生の一人暮らしにかかる費用の約半分は学費
大学生の一人暮らしと社会人の一人暮らしの大きな違いは学費の発生の有無です。
社会人は昼間の時間帯に仕事をして自身で家計のやりくりをします。
しかし、大学生の本業はあくまでも勉学です。
この勉強をするための費用が学費という形で発生します。
そして大学生の一人暮らしにかかる費用の約半分はこの学費です。
そこでまずは大学生にかかる年間の学費の情報をまとめましたのでご覧ください。
学費は当然のことながら国公立と私立で大きく変わります。
国立・公立
国公立の大学は一般的に私立大学と比べると学費を抑えることができます。
独立行政法人 日本学生支援機構(JASSO)が行った調査によると国公立の大学昼間部に通う学生の年間学費は以下のとおりです。
区分 | 学費 |
---|---|
国立(下宿、アパートなどの場合) | ⇒ 62万3,700円 |
公立(下宿、アパートなどの場合) | ⇒ 62万6,700円 |
なお上記の学費には授業料以外にもその他の学校納付金、修学費、課外活動費、通学費が含まれています。
また一口に国公立の大学といっても学校の所在地、学問系統ごとに学費は大きく異なるため、上でご紹介した金額はあくまでも目安として捉えておくことを推奨します。
私立
「私立大学に通わせるのは大変」と頭を悩ます親御さんも多いです。
そのイメージどおり前述の日本学生支援機構が行った調査結果でも私立大学は学費が高くなる傾向にあります。
私立大学の昼間部に1年間通うのにかかる学費は以下のようになっています。
区分 | 学費 |
---|---|
私立(下宿、アパートなどの場合)⇒ | 137万4,500円 |
ご覧のように同じ大学でも国公立と比較すると2倍以上の学費がかかっていることがわかります。
また国公立と同様に学部によって金額が大きく異なることも理解しておかなければいけません。
理科系学部、文学系学部などであれば大体上記の数字に近い学費に収まることが多いですが、医学部の場合は2倍強の金額に跳ね上がることもあります。
したがって子どもに一人暮らしをさせるご両親は入学前にしっかりと年間にかかる学費を把握しておく必要があるといえるでしょう。
学費以外にかかる生活費の内訳をチェック
ここからは学費以外にかかる生活費関連の内訳を見ていきましょう。
家賃
家賃は立地条件などによって金額も大きく異なるため、正確な数字を出すのは難しいです。
ただし基本的には東京都内や都市部に住むことになると家賃は高くなる傾向にあります。
各種不動産情報サイトなどを参考にすると大体以下のような家賃相場となることが多いです。
エリア | 家賃相場(1R賃貸の場合) |
---|---|
北海道 | 3万5,000円~4万円 |
東北 | 2万円~5万4,000円 |
東京都 | 6万6,000円~8万2,000円 |
関東 | 3万4,000円~6万5,000円 |
東海 | 3万2,000円~6万1,000円 |
甲信越・北陸 | 3万円~5万8,000円 |
関西 | 3万7,000円~5万6,000円 |
中国 | 3万6,000円~5万4,000円 |
四国 | 2万5,000円~5万1,000円 |
九州・沖縄 | 2万2,000円~5万3,000円 |
以上がエリア別に見たワンルーム賃貸の家賃相場です。
もちろん立地条件などによっては相場を下回ることもあれば、高くなることもあります。
したがって上で紹介している金額はあくまでも一つの目安として覚えておくことを推奨します。
また先ほども取り上げた日本学生支援機構の調査結果では大学生の一人暮らしの平均家賃は4万円台(こちらは光熱費含む)となっています。
光熱費
電気、ガス、水道の光熱費も毎月かかる費用の代表的存在です。
大学生の一人暮らしを対象にした光熱費調査が行われることは少ないため、こちらも正確な金額を出すことは難しいです。
しかし、総務省統計局やその他の民間企業のアンケート調査など複数の情報を参考にすると一人暮らしの光熱費は約5,000円~1万円に収まることが多いです。
電気、ガス、水道別に見た1ヶ月の料金相場は以下のようになっています。
項目 | 料金相場(1ヶ月) |
---|---|
電気代 | 1,500円~5,000円 |
ガス代 | 1,000円~4,000円 |
水道代 | 1,000円~3,000円 |
ご覧のように各種光熱費も1,000円~5,000円と開きがあることがわかります。
これはクーラーや暖房の使用頻度、お風呂を毎日沸かして入るかシャワーで済ますかなど生活スタイルの違いによって生まれてくる開きです。
夏や冬など極端な気候の季節にいかに無駄を省いた節約ができるかが、光熱費削減のポイントとなります。
食費
大学生の一人暮らしの食費は1ヶ月2万5,000円~3万円で収まることが多いです。
ちなみに2016年に行った調査によると下宿生の1ヶ月の平均食費は2万4,770円となっています。
また日本学生支援機構による調査でも毎月の食費は約2万5,000円~2万8,000円と公表されています。
こちらの食費ですが一見すると何も問題はなさそうに思えますが、1ヶ月2万5,000円以内に収めるなら、1日あたり約830円にセーブする必要があります。
毎日3回しっかりと食事をとるなら1食300円未満に抑えなければいけないため、大学生の食事事情はイメージよりも厳しいといえるでしょう。
このような理由から大学生の一人暮らしでそこそこの食事をするなら最低でも3万円~3万5,000円の食費を確保しておくのが理想です。
通信費
通信費とはスマホやタブレットなどにかかる費用のことです。
またパソコンを使用する学生であれば、インターネット回線も必要になりますが、こちらの項目も通信費に該当します。
通信費も使い方によりますがスマホやタブレットのみであれば5,000円~1万円以内に収まる学生が多いです。
インターネット回線やポケットWi-Fiを契約している場合は毎月約5,000円の料金が追加されます。
ちなみに通信費に関しては近年、格安SIMが普及されてきましたので今後費用を大きく節約できると予想されています。
娯楽・交際費
勉学が本業の大学生といえども時には息抜きもしたくなります。
学校が休みの日に友人と食事、買い物を楽しむ学生も多いですし、大学生ともなれば歓迎会や忘年会などを開くこともあります。
これらにかかる費用が娯楽・交際費に該当します。
この娯楽・交際費ですが一般的な大学生だと1ヶ月1万円~1万5,000円ほどかかります。
またすでに成人した学生になるとギャンブル、お酒、タバコなどを嗜むこともあります。
このようなケースでは1回につき5,000円~1万円を注ぎこんでしまうことが多く、1ヶ月の平均娯楽・交際費を大きく上回ることがほとんどです。
したがって娯楽・交際費は自己管理が苦手な学生ほど注意しておきたい支出項目といえるでしょう。
雑費
一人暮らしといえども生活をする上で最低限必要な日用品は購入しておかなければいけません(例:シャンプーやトイレットペーパーなど)。
また学生なので当然のことながら文房具や書籍代なども必要になります。
その他、髪が伸びてきたら美容院代などもかかりますし、洋服類も1年間に数回は購入しなければならないこともあるでしょう。
これらにかかる費用が雑費として扱われることになります。
そして大学生の一人暮らしにかかる雑費は平均で1ヶ月1万円~2万円となっています。
前述の娯楽・交際費、雑費は家賃などと違って毎月の支出額が固定されておらず、当初の計算から漏れがちです。
そのため、忘れずに計算しておかないと「予定外の出費で今月の生活が厳しくなった」ということも十分ありえますので注意しておきましょう。
大学生の一人暮らしにかかる生活費合計はおいくら?
上でご紹介した大学生の一人暮らしにかかる生活費を合計すると以下のようになります。
項目 料金相場(1ヶ月)
家賃 2万円~8万2,000円
光熱費 3,500円~1万2,000円
食費 2万5,000円~3万5,000円
通信費 1万円~1万5,000円
娯楽・交際費 1万円~1万5,000円
雑費 1万円~2万円
合計 7万8,500円~17万9,000円
ご覧のように大学生が1ヶ月一人暮らしをすると最低でも約8万円かかります。
また上の金額はあくまでも最低費用です。家賃が高い都市部に住んだり、その他の項目で費用がかさむとおよそ18万円もの生活費が1ヶ月必要になります。
そして年間で生活費の計算をすると94万2,000円~214万8,000円がかかるようになります。
この生活費に冒頭で取り上げた学費を加えると最低でも160万円以上の費用を1年の間に必要とします。
これが学費の高い私立大学を希望したり、そこそこレベルの生活費を望むようになると300万円以上の費用が必要になることもあるでしょう。
大学生の一人暮らしで毎月の支出を減らすには?
前述のように大学生が一人暮らしをすると非常に大きな費用がかかってきます。
そのため、子どもを送り出すご両親の中には毎月の支出額を減らす方法やコツを探している方もいます。
またアルバイトをしながら生活費を賄っている学生も同じように考えていることは多いです。
そこでここでは大学生の一人暮らしにかかる生活費節約の方法を解説します。
光熱費・食費
まずこれは一人暮らし以外の世帯にもいえることですが、生活費を削減するなら光熱費と食費の見直しをしてみましょう。
家にいる時は見たい番組がなくても何気なくテレビをつけている方は多いです。
テレビの種類や電気料金の契約形態によって異なりますが、1時間テレビをつけた時にかかる電気代は約1.5円~2円です。
夜に学校から帰ってきて5時間テレビをつけていたとします。
しかし、実際にテレビを見ていたのは1時間のみで他の時間は食事、お風呂、スマホなどに使っています。
そこでテレビを見ていない4時間はテレビを消してみます。
すると1日で約6円~8円の電気料金を節約できます。
これを365日続けると2,190円~2,920円の電気料金削減につなげることが可能です。
また食費も極力外食を減らし、自炊を心がけることを推奨します。
外食をするとどうしても1食で500円~1,000円前後かかってしまいます。
前述のように一人暮らしの大学生にかかる平均的な食費は2万円~3万円です。
したがって外食を1回でもすると場合によっては、その日の夕食などが食べられないという可能性もあります。
このようなケースを極力避けるにはやはり食費を抑えることができる自炊を行うのがベストです。
大抵のスーパーは夕方~夜になると30%OFFなどの値引きシールが貼られていたりします。
このような値引きが行われる時間帯を狙って食材の買い出しに行くのもよいでしょう。
家賃
生活費の中心を占める家賃に関してですが、こちらは立地条件やエリアによって大きく変動します。
駅や学校からかなり離れた場所にある物件だと家賃は安くなる傾向にありますが、その分今度は学校に通うまでの交通費が大きくかかる可能性もあります。
したがって家賃に関しては大きく節約することは難しいです。
ただし物件を新しく借りる時には敷金などの初期費用が発生しますが、これらの費用は節約することが可能です。
物件によっては敷金が0円のケースもあるからです。
また近年は家具家電付きの物件も用意されています。
これらの初期費用がかからない物件を探すことで一人暮らしを始める際にかかる費用を抑えることも可能です。
通信費
通信費は先ほどもご紹介したように近年普及が進んできた格安SIMに乗り換えることで大きく節約することができます。
格安SIM会社やプラン内容によって料金は異なりますが、一般的には1ヶ月1,000円~2,000円で運用することが可能です。
つまり毎月スマホに1万円かかっていた場合は1ヶ月で8,000円~9,000円の節約ができるということです。
また格安SIMに乗り換えるのに抵抗がある方は携帯ショップに足を運んで料金プランの相談をしてみましょう。
プラン変更によって1ヶ月の料金が3,000円~4,000円ほど安くなることもあります。
娯楽・交際費・雑費
娯楽・交際費・雑費などを減らすにはこれはもう本人の意思次第です。
具体的には今まで何気なく立ち寄ったコンビニでお菓子などを購入していたとします。
お菓子が1点200円だとし、これを1年続けると年間で約7万3,000円がかかることになります。
1点が非常に低価格なため、あまり気付きませんが年間で見ると非常に大きな支出となっていることがわかりますよね。
これを例えば購入頻度を2日に1回にしてみると年間で3万6,500円の節約につなげることが可能です。
このように普段何気なく購入しているものにも注目してみると案外簡単に生活費の削減ができるようになります。
仮に娯楽・交際費などのレベルを落としたくない場合は他の費用を抑えたり、自身でバイトをするなどの努力をするのもよいでしょう。
大学生の一人暮らしは大変!事前にしっかりと支出額を把握しておこう
大学生の一人暮らしにかかる費用と毎月の生活費の情報を解説しました。
一人暮らしに憧れる学生は多いですが、現実を見ると年間で非常に多くの費用を必要とします。
したがって一人暮らしをするなら事前に毎月かかる費用や生活費の把握をしっかりとしておかなければいけません。
また近年は親御さんの平均給与額も減少傾向にあるため、必然的に仕送り額も減っています。
そのため、家庭によっては不足分をアルバイトで補う必要もあるでしょう。
大学生の一人暮らしは確かに楽しいものですが、支出額の計算をしっかり行っていないと「今月はピンチだ」ということにもなりかねません。
学校もプライベートも楽しくするために、計画的な生活を心がけていきましょう。