不動産の相続登記の期限は?放置するとどうなる?
親が亡くなると、親が所有していた実家や土地などの不動産を相続することになる人は少なくありません。
そして不動産の相続が決まったら、法務局で登記をする必要があります。
とはいえ、預貯金のように簡単に分割できないのが不動産です。
いろいろな事情で、登記をせずにそのまま放置されることも少なくありません。
しかし、放置期間が長引くと相続が複雑になり、相続時には想定していなかったデメリットがもたらされることがあります。
今回は、不動産の相続登記の期限や、放置した際のデメリットを紹介します。
不動産の相続①:登記とは何?
不動産は、預貯金や物品と同じく、大切な財産のひとつです。
そのため、不動産を相続するときは、所有者をはっきりさせる必要があります。
そこで行われるのが、不動産の名義を変更する手続きで、この手続きを「登記」と言います。
相続登記は、相続した不動産を所有しているのは自分であることを明確にするために行います。
そのため、不動産を相続していても登記を放置していると、所有者であることを主張することができません。
不動産の相続②:登記の期限はあるの?
不動産は高額の財産なので、相続登記する期限はいつまでか、気になる人も多いと思います。
実は、不動産の登記には、決められた期限はありません。
たとえば、不動産の名義人である父親が10年前に他界し、不動産の相続登記を放置していたとしても、登記の期限切れとはならないのです。
不動産の相続③:放置するとどうなる?
しかしながら、不動産の相続登記をそのまま放置していると、所有者があいまいな状態になります。
たとえば、亡くなった親に対して子どもが4人いた場合を考えてみましょう。
名義を書き換えるまでは、4人全員が共有している状態が続きます。
このようなあいまいな状態は、時間がたつにつれて、さまざまなトラブルを引き起こします。
仮に、4人の子どものうち1人が亡くなったとします。
すると、その人の相続分の権利は、その子どもに相続されます。
子どもが2人いたら2分割、4人いたら4分割されることになり、不動産の所有権を共有している人の数がどんどん増えていってしまうのです。
この状況で特定の名義人に不動産登記をするとなると、全員の同意と書類が必要になるため、登記の手続きがより面倒になってしまいます。
また、相続登記をしないまま、相続人の1人が認知症になると、さらに状況は複雑になります。
認知症になると、物事の判断をすることが困難になるため、家庭裁判所を通じて成年後年人を立てる必要が生じます。
そうすると不動産の相続に家庭裁判所の手続きが加わるため、相続がさらに煩雑になる恐れがあります。
まとめ
不動産の相続登記に決まった期限はありません。
しかし、放置することで相続の状況が複雑になると、手続きの手間が2倍、3倍にふくれあがることがあります。
これらの理由から、不動産を相続することになったら、期限を問わずに早めに済ませることをおすすめします。