新型コロナ、家庭内の感染どう防ぐ? 食事や掃除…
緊急事態宣言が出されると、今よりも外出自粛やテレワークが進んで家にいる時間が長くなる。
家にずっとこもっていると運動不足になったり、気分が落ち込んだりすることが増える。
家の中でも定期的に体を動かすように気をつける。
不要不急の外出を避ける場合でも、通院や日用品などの買い物に出ることは可能だ。
ただ、迷った場合は外出しないという選択をしたい。
新型コロナウイルスは感染者の約8割は軽症のまま治るが、高齢者や持病を持つ人ほど重症化しやすく、肺炎などの重い病気を起こす。
ウイルスの感染者が増えてくると、感染しても軽症や無症状であれば自宅などで療養するようになるだろう。
同居する家族が自宅療養するときは、感染を広げないことが最も重要だ。
感染者は家族と別の部屋に移り、マスクを着けて周りへの感染を防ぐ。
換気を1時間に1回程度実施することも大切だ。
「換気の悪い密閉空間」「多数が集まる密集場所」「間近で会話する密接場面」という3つの「密」を避けることは家庭内でも同じだ。
■感染疑いの家族は隔離
家族の中に感染が疑われる人などが出た場合は、自宅で2週間程度の待機が必要となる。
日本環境感染学会によると、せきやくしゃみでウイルスが飛ぶ2メートル以上の距離を保って生活したり、飛沫が付着した可能性があるドアノブや手すりの消毒をこまめにするのが大事だという。
手にもウイルスが付着していることがあるので、目や鼻などにはできるだけ触れないほうがよい。
感染者の看護などをする人はできるだけ一人に限定する。
感染者はマスクを着用し、看護をする人は、マスク着用の上、接触感染を避けるために手袋をした方がよい。
看護・看病をした後などを中心にこまめに手洗いをすることが大切だ。
看病をする人の人選について、自治医科大学さいたま医療センターの市橋光教授は感染のリスクを考えるとできれば「50歳未満の健康な人を選んだ方がよい」という。
高齢者や糖尿病などの持病のある人は免疫機能が低下していることが多く、万一感染した場合に重症化する恐れがあるからだ。
感染者の部屋を分けて隔離することが大切という。
部屋数が足りない場合は飛沫を遮断する仕切りを部屋に入れたりすると効果的だ。
感染者の使ったタオルや衣類、寝具などの共有は避ける。
■熱湯消毒の上、洗濯
感染者がいるときに気になるのが衣類などの洗濯だ。
日本環境感染学会によると、タオルや衣類は健康な人と分けて洗濯する必要はないという。
ただし、衣類やタオルの繊維の中にウイルスが残存する可能性はある。
また、おう吐や下痢などで汚れてしまった場合は、ウイルスが付着している可能性が高いので、熱湯で消毒した後に洗濯したほうが良いという。
市橋教授によると目安は「ウイルスの殺傷効果があるセ氏80度以上の熱湯に10分以上ひたすこと」だという。
■食事は小皿に分ける
食事でサラダなどを食べるときは、大皿に一緒に入れずにあらかじめ小皿に小分けにする。
東北医科薬科大学のまとめた新型コロナウイルスの「市民向け感染予防ハンドブック」によると、感染者の食器を洗う場合は、消毒液に10分以上浸して洗うと良いという。
消毒液は2リットルの水に、ペットボトルキャップ2杯分(10ミリリットル)の次亜塩素酸ナトリウムの原液を入れるのが目安という。
■水拭きでも効果あり
日本環境感染学会によると、(1)薄めた次亜塩素酸ナトリウムで拭いた後に水拭きをするか (2)アルコール消毒液で拭く。
おう吐や下痢の清掃をするときは通常よりも濃い消毒液(500ミリリットルの水に10ミリリットルの原液)を使った方がよい。
消毒液が量販店などで手に入らないこともあるが、風呂やトイレの掃除では「水拭きをするだけでも環境中のウイルスを減らす効果がある」(日本環境感染学会)。
■家の中はこまめに換気
感染予防には、接触感染が起きるドアノブやテーブル、ベッドの消毒や水拭きは1日1回以上を心がける。
さらに換気も重要だ。部屋の中にウイルスが残留する可能性があるので「できれば1時間に1回程度やった方が良い」(市橋教授)という。
感染者の体液などがついたゴミは、家族が手で触らないようにビニール袋に密閉して処理する。